近年厳しくなったブライダルシーンでの楽曲著作権。
特にDVDに入れ込んだムービーを流す時に発生する複製権の処理は著作権の代行処理団体ISUMへ申請する事が一般的になってきました。
複製権とISUMに関しては↓こちらの記事で解説しています。
この記事では、ISUMへ楽曲申請する際に費用を安く抑える手段について解説します。
ISUM申請にかかる費用はいくら?
ISUMへ楽曲使用の申請を行う時は、主に「BGMとして音楽を使う場合」と「ムービーに音楽を入れて流す場合」の2つのパターンがあります。
そしてこの料金体系はそれぞれの場合によって違ってきます。
式場でBGMとして音楽を流す時のISUMへの申請料金
BGMとして音楽を使用するとき
- 著作権 1曲ごとに200円(5分を超える曲は5分ごとに1曲分料金追加)
- 著作隣接権 1曲ごとに2000円
- ISUM手数料 上記二つを足した合計金額の10%
以上に則って結婚式のBGMで10曲使用したとします。
すると合計金額は著作権(200円×10)+著作隣接権(2000円×10)=22000円
これに10%の手数料(2200円)が上乗せになるので合計24.200円がISUMへの申請料金になります。
式場で音楽を入れたムービーを流す時のISUMへの申請料金
次にムービーに曲を入れ込んだ状態で上映する場合です。
ムービーと一緒に音楽を使用するとき
- 著作権 1分ごとに500円(ムービーの長さではなく使用した音楽の長さ)
- 著作隣接権 1曲ごとに2000円
- ISUM手数料 上記二つを足した合計金額の10%
- (上記は静止画のみのムービーであった場合。動画が入ると割り増し。)
以上に則って4分30秒間の音楽(繰り上げで5分の曲扱い)をムービーに入れて、結婚式で計3本のムービーを使用したとします。
すると合計金額は・・・
著作権(500円×5分)×3本+著作隣接権(2000円×3本)=13.500円
これに10%の手数料(1350円)が上乗せになるので、合計14.850円がISUMへの申請料金になります。
この例でざっくり計算すると
24200円(BGM10曲)+14850円(ムービー3曲)
=39.050円がお支払合計金額になります。
そこで、ISUMへの申請料金を抑えるための方法を紹介していくよ。
ISUM申請費用を抑える方法②CD原盤を流す
真っ先に思いつくのは、使用する音楽のCD原盤を流すという方法です。
これを上手くやればISUMへの申請はせずに済むので、申請料金は0円です。
これはISUMへの申請逃れの手法としてブライダル業界でも知られている方法ですが、やはりこれが一番手っ取り早いです。
- BGMに使用したい曲は全てCD原盤で用意して流す。
- DVD(ムービー)を流す時は、無音で作ったムービーの再生に合わせてCD原盤を流す。
以上の2つのやり方であれば、ISUMへの申請は必要ありません。
CD原盤を流す際のデメリット
もちろん、このやり方には次のようなデメリットもあります。
- もしCD原盤を持っていなかった場合は改めてCDを購入する必要がある。
- ムービーと一緒にCDを流す場合は音がずれてしまう可能性が高い。
①のパターンは、結局申請するくらいのお金がかかってしまう可能性があります。
何曲用意するかにもよりますが、結婚式は入場、退場、ケーキカット、その他BGM全て合わせると軽く10曲は必要になります。
すると、1曲あたり1000円の安いシングルでも1万円は最低かかるという事です。
全部用意できなくても、いくつかの曲だけCD原盤で揃えるというやり方で、少しでも費用は抑える事が出来るよ。
②のパターンは、音楽のタイミングに合わせてムービーを作り込んだ人にはかなり痛いパターンです。
DVDの再生のタイミングとCDの再生のタイミングを合わせるというのは結構至難の技です。
式場スタッフが全てやる事になりますが、もちろんやり直しがきかないので、音楽がムービーとずれてしまう可能性は非常に高いです。
ISUM申請費用を抑える方法②申請する曲を少しでも短い曲に変更する
これはムービーに音楽を入れる際には非常に重要なポイントです。
ムービーに音楽を入れる際のISUMの料金体系は次のような基準が設けられていると解説しました。
- 著作権 1分ごとに500円(ムービーの長さではなく使用した音楽の長さ)
- 著作隣接権 1曲ごとに2000円
- ISUM手数料 上記二つを足した合計金額の10%
- (上記は静止画のみのムービーであった場合。動画が入ると割り増し。)
しかしもう一つ、1分30秒の曲は2分とみなす。という基準もあります。
これは秒数が30秒以上になった場合は上の分数に繰り上げされるというものです。
つまり、1分29秒の曲は1分の曲分の料金。
それから1秒後である、1分30秒の曲は2分の曲分の料金になるのです。
このたった1秒の差で最低500円以上は損をしてしまうという事がありえます。
ウエディングムービーで使用できる曲は、ISUMの楽曲データベースに載っている楽曲しか申請できません。
↓こちらを参考にしてください。
★ISUM楽曲データベース:https://isum.or.jp/music/
ISUM申請費用を抑える方法③ISUMへの申請手数料が安い会社に依頼する
上記2つの方法以外に考えられるのは、ISUMへの申請料が安い業者が無いかを調べてみるという方法です。
ISUMへの申請は、新郎新婦等の一般個人から出来ないようになっています。
つまり、結婚式場かビデオ制作会社を介することでしか申請ができないのです。
そしてこれには各業者ごとに仲介手数料がかかります。
業者によっては1曲あたり1万円も取る会社もあれば、2000円程度で請け負ってくれる会社もあります。
ISUMへの申請は結婚式場側に頼むのが一番手っ取り早いのですが、仲介手数料が式場によって凄く高く設定されている事もあります。
もし式場の手数料が高ければ、インターネットで手数料が安いビデオ制作会社に依頼した方が安くなる可能性が高いです。
ビデオ制作の依頼をせずとも、ISUMへの申請だけでも引き受けてくれる制作会社もたくさんあります。
どこの制作会社も1曲あたり3.000~5.000円の著作権料と3.000円~の代行申請料となっているのがほとんどです。
代行申請料も業者によってまちまちなので、ココナラのような動画クリエイターを一気に探せるようなサイトで見つけるのがオススメです。↓
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結局、ISUMへ申請しないのが一番安くて話が早い
行きつくところはこの答えです。
著作権のいざこざを全て無くしたいのであれば、申請しないのが手っ取り早くてお金もかかりません。
披露宴のBGMは自分でCD原盤を用意して、ウエディングムービーは全てフリー音源で固めるというのが一番安上がりで満足いく方法ではないでしょうか?
結婚式場によって楽曲使用のゆるさは違いがありますので、まずはプランナーに相談しましょう。
ISUMへの許可が必要だと言われた場合は、フリー音源とCD原盤を用意するスタンスに切り替えていくのがベストです。
全て使用が無料で使用許可も申請も一切必要ない、オススメのフリー音源サイトは↓こちらで紹介しています。
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ぜひ参考にしてみてください。